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COLUMN ── 007

文書作成をAIに任せるとき、
任せてはいけない部分

2026-08-15 | ミツノワ | #文書作成の負担 #生成AI #業務改善

この記事の要点

AIに任せてよいのは構成・言い換え・下書き。任せてはいけないのは事実・数値・固有名詞・最終責任。境界線の引き方と、提出前の3点確認の手順をまとめました。

文書作成は、AIがいちばん手伝いやすい仕事です。白紙から書き出すつらさは、たしかに軽くなります。

一方で、実際に使ってみると「一見ちゃんとしているのに、細かいところが違う」文章が出てきます。しかも、その違いは読み返しただけでは気づきにくい。だからこそ、任せる範囲を先に線引きしておく必要があります。この記事では「ミツノワ式・任せる/任せない 3点確認」として、境界線と提出前の手順をまとめます。

境界線は「言い方」と「中身」の間にある

覚え方はシンプルです。AIに任せてよいのは「言い方」、任せてはいけないのは「中身」。

任せてよい(言い方) 任せてはいけない(中身) この線を越えたら、人が持つ 構成 見出しの並び・話の順番・抜けの指摘 言い換え 硬い文の平易化・敬体の統一・短縮 下書き 白紙をうめる・たたき台・選択肢出し 事実(起きたこと・経過) 数値(日付・回数・金額・期間) 固有名詞(人・施設・制度の名称) 最終責任(出す・出さないの判断) 個人が特定できる情報は、そもそも入力しない
図1|ミツノワ式・任せる/任せない の境界線

この線引きが必要なのは、AIが「知らない」と言うのが苦手だからです。空欄を埋めるように、もっともらしい日付・数字・名称を書いてしまうことがあります。文章としては自然なので、書いた本人でも見落とします。

任せてよい3つ:構成・言い換え・下書き

構成

「この報告書に必要な見出しを並べて」「この内容で足りていない観点はある?」という使い方です。ここでは事実を作らせていないので、間違いが混ざるリスクが低く、効果は大きい領域です。

言い換え

専門用語の多い文を家族向けにやわらげる、長い一文を短く分ける、ですます調に揃える。元の文章が自分の書いたものである限り、中身は増減しません。ここが最も安全で、最も時短になります。

下書き

白紙から書き出す負担を消す使い方です。ただし出てきたものは「たたき台」であって「原稿」ではありません。埋まっている数字や名称は、この時点ではすべて仮のものだと考えてください。

任せてはいけない4つ

領域なぜ任せられないか人がやること
事実実際に起きた経過を知っているのは現場の人だけ経過は自分の言葉で先に書き、AIには整えさせる
数値日付・回数・金額・期間はもっともらしい値が入りやすい元資料と1つずつ突き合わせる
固有名詞人・施設・制度の名称は似た別名に化けることがある正式名称を原典・台帳で確認する
最終責任出した文書の責任は、常に署名した人が負う自分の名前で読み直してから出す

AIは、文章を速く作る道具。
正しさを保証する道具ではない。

提出前の3点確認

細かいチェックリストを作っても、忙しい日には飛ばされます。だから3つに絞ります。この3つだけは、印刷やメール送信の前に必ず通す。

1数字と日付を、元資料と突き合わせたか

本文の数字に指を当てて、元の資料と1つずつ照らす。AIが出した文章に残っている数字は、自分で確認したもの以外すべて削除する、くらいで構いません。

2固有名詞は、正式名称になっているか

人名・施設名・制度名・様式名。特に制度や様式の名称は、似ているが違う名前が入り込みます。制度・法令・診療報酬に関わる記述がある場合は、必ず最新の原典を確認してください。AIの説明を根拠にしないでください。

3自分の名前で、声に出して読み直したか

最後は責任の確認です。「この文書は自分が書いたものとして出せるか」を、書き手ではなく提出者の立場で読み直します。声に出すと、自分の言い回しでない部分がはっきり分かります。違和感が残る文は、書き直してください。

入力する前の、もう一つの線

ここまでは「出てきた文章をどう扱うか」の話でした。その手前に、動かせない線があります。患者・利用者・職員の個人が特定できる情報を、外部のAIサービスに入力しない。氏名やIDだけでなく、生年月日・施設の実名・珍しい状況の組み合わせも同じ扱いです。下書きを頼むときは、匿名化した形か架空の設定に置き換えてから渡します。

また、そもそもその文書を作り続ける必要があるかどうかは、AIの前に確認できます(記録の負担を減らす前に、記録を棚卸しする)。業務全体の順番は現場DX 5ステップにまとめています。

1つだけ選ぶなら

3点全部を毎回やるのは、最初は重く感じるかもしれません。できていなくても大丈夫です。1つだけ選ぶなら「数字と日付の突き合わせ」。文書の信頼を最も直接に損なうのがここで、確認にかかる時間もいちばん短くて済みます。

💡 この記事は、生成AIを文書作成に使う際の一般的な注意点の整理です。特定のサービスの性能や、確認による効果を保証するものではありません。制度・法令に関わる記述は必ず最新の原典をご確認ください。

この記事は、現場の実践から生まれています。

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