MITSUNOWA MEDIA & LAB
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CASE 001 ── 組織へのAI導入

説明会をやめて、
「AIキャラバン」にした話

この事例の要点

精神科病院のAI導入で、全体説明会が不発に終わり、部署ごとの少人数体験会(AIキャラバン)へ転換した実装事例。物語・再現手順・実装者の3点セット。

ある精神科病院|2026年6月〜|語り手: ミツノワ(精神科医・院内DX担当)

PROBLEMAIを紹介しても「すごいですね」で終わり、翌日から何も変わらない
ACTION全体説明会 → 部署ごとの少人数「一緒に触る」体験会へ転換
RESULT心理的ハードルの低下を実感(定性)。失敗共有の投稿が最多反応に
REPRODUCIBILITY準備物はほぼゼロ。「知っている人が横にいる」だけで成立

BACKGROUND ── なぜ始めたか

紹介しても、現場は変わらなかった

院内のDX担当として、生成AIを職員に広めようとしていました。管理部門の理解はある。ツールも作れる。それでも、現場の日常は変わらない。「便利そうだけど、自分の仕事とどう関係するのか分からない」──その距離を埋めるために、まず王道の一手を打ちました。

BARRIER ── 何につまずいたか

作り込んだ説明会が、見事にスベった

スライドを作り込み、デモも用意して、院内でAI説明会を開催。結果は「すごいですね」で終了。質問は出ず、翌日から何かが変わる気配もありませんでした。

原因を考えて出た結論はシンプルでした。説明していたから。聞く側にとってAIは「他人の道具」のままで、自分の手が動いていない。研修で伝わらないことは、たぶん何回説明しても伝わらない。

ACTION ── どう変えたか

「集めて話す」から「出向いて一緒に触る」へ

BEFORE|全体説明会 説明する人 聞くだけ・手が動かない 「すごいですね」で終わる AFTER|AIキャラバン 部署A|隣で一緒に触る 部署B|自分の業務で試す 「知っている人が横にいる」=心理的ハードルが下がる 巡回して次の部署へ(=キャラバン) その場で「うちの場合は?」が出る
図1|説明会からAIキャラバンへの転換(青=案内役、緑=現場職員)

名付けてAIキャラバン。大人数を集める代わりに、こちらが部署へ出向き、少人数で「その部署の実際の業務」を題材に一緒に触る。デモ用の題材ではなく、目の前の仕事で試すのがポイントです。

METHOD ── 再現するなら

準備物ほぼゼロの5ステップ

  1. 集めない。会議室ではなく、部署の普段の場所へ出向く
  2. 少人数(2〜5人)。「全員に」をやめる。興味のある人からでいい
  3. その部署の実業務を題材にする。ただし個人情報は使わない(ダミー・一般化した例で)
  4. 本人の手で操作してもらう。こちらは隣で見ているだけ。うまくいかない場面こそ価値
  5. 出てきた「うちの場合は?」をメモして持ち帰る。それが次のツールの種になる

研修で伝わらないことが、隣で一緒にやると伝わる。
これはAIに限らない、という指摘を福祉現場のメンバーからもらった。

RESULT ── 何が変わったか

数字より先に、空気が変わった

現時点の成果は定性的なものです(実測の効果測定はこれから)。ただ、確かな手応えが2つありました。①体験した職員から「これなら自分でもできそう」という反応が出るようになったこと。②この失敗と転換の一部始終をコミュニティに投稿したところ、運営してきた中で最も多くの会話が生まれたこと(閲覧19・コメント7、投稿画面の概数)。

失敗の共有が、次の実践者を connects する──この構造自体が発見でした。

VOICE ── 実装者から

ミツノワ(精神科医・院内DX担当)

「スライドの出来と、現場が動くかどうかは、ほとんど関係ありませんでした。動いたのは『隣で5分、一緒に触った』とき。導入を仕事にしている人ほど説明を磨きたくなりますが、磨くべきは説明ではなく、触る機会の設計だったと思います。」

この事例について質問がある方は、精介AIコミュニティでこの実装者に直接聞けます。

この記事は、現場の実践から生まれています。

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